P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

COLUMN

これからの時代のブランドと、私たちにできること

2025.12.02

今日あるものが明日もあるとは限らない、情報に溢れ何を信じたら良いのかわからない、そんな未来の読めない今この時代は「VUCA時代」と呼ばれています。

VUCAとは
V=Volatility(変動性:変化の幅が大きく、かつスピードが早い状況)
U=Uncertainty(不確実性:将来何が起こるか予測できない状況)
C=Complexity(複雑性:さまざまな要素が複雑に絡み合っている状況)

A=Ambiguity(曖昧性:物事の因果関係が曖昧になっている状況)
の頭文字をとったもので、元々は冷戦後の急速に変化する社会の状況を表すために生まれた言葉です。

2016年に開催された「世界経済フォーラム(ダボス会議)」において、「VUCAワールド」という言葉が使われたことがきっかけとなり、現代が「VUCA時代」だと広く認識されるようになりました。その背景には、テクノロジーの急速な進化、グローバル化、気候変動、パンデミックなど複雑に絡み合ったさまざまな要因があります。

このような時代の中で、ブランドが存在する意味について、そして私たちは何ができるのかを考えました。

|選ばれる理由をつくる
お茶を買おうとコンビニに入り、お茶コーナーの前に立ったあなたは、目の前にずらっと並んだ様々なお茶の中からどのお茶を選びますか?
「なんとなく手が伸びて」という感覚は誰にでも経験があると思いますが、そこには明確な理由があります。 この感覚には、世界観や安心感に加えて、過去のポジティブな使用経験、ブランドの一貫性、コミュニケーションの蓄積といった、価格や機能ではない領域の価値が影響しています。そしてこの直感的な感覚は、判断材料の多い環境でより強く働きます。 言語化しなくても直感的に伝わるブランドの価値は、同質化した商品カテゴリの中に埋もれず、長く選ばれ続ける理由になります。

|目印となる軸をつくる
時代が変わっても愛され続けるブランドには、揺るがない軸が必ずあります。
これは、他者と比べた相対的なものではなく「存在する理由」「価値観」「目指す未来」といった、ブランドの根幹となる絶対的なものです。たとえば、アウトドアアパレル企業であるパタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッション・ステートメントを掲げ、環境負荷の低減やリペアサービスなど、事業全体がこの軸を基点として展開されています。正解がなく不安定な時代において、この軸は判断の基準となり、迷ったときに立ち返る目印となります。

P.K.G.Tokyoは、「対話が導くデザインで、心が躍動するブランドをつくる」というパーパスを掲げています。
変化の激しい時代だからこそ、企業や商品が持つ本質的な価値を、対話を通して丁寧に見つめ直す伴走者でありたいと考えています。その過程で見えてくる「ブランドとして大切にしたいこと」が、変化する時代に振り回されないための強い支えになるのではないかと思います。

 

参考:https://sony-acceleration-platform.com/article616
https://www.patagonia.jp/home/

 

P.K.G.Tokyo 長畑莉央


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