P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

NEWS

「キリングッドエール」が、中国の国際イベントFBIFで招待展示されました!

2026.05.25

中国・杭州で、2026年4月27日〜29日の3日間に渡り開催されたFBIF(Food & Beverage Innovation Forum)の「Global Creative Packaging Design Gallery」に招待され、P.K.G.Tokyoがパッケージデザイン開発パートナーとして携わった「キリングッドエール」のパッケージが展示されました。

 

中国の食品・飲料業界ではFBIFの存在感が高まっている

 
FBIFは、食品・飲料業界における商品、パッケージ、原料、マーケティングなどを横断的に扱う国際イベントです。2014年の初開催からこれまでに11回開催され、2025年には12,946社が参加し、フォーラムと展示を合わせて39,184人が来場する展示会に成長しています。今回展示が行われた「Global Creative Packaging Design Gallery」は、世界の食品・飲料パッケージの中から、審美性や革新性の観点で注目される事例を紹介する企画として案内されています。

 

展示ブース自体も、ひとつのパッケージのように設計されていた

 
Global Creative Packaging Design Galleryの会場は、外装にバーコードや栄養成分表示(Nutrition Facts)を思わせる表示、開封口のようなグラフィックがあしらわれ、空間そのものがひとつの大きなパッケージのように設計されていました。

また、展示のキュレーションも特徴的です。複雑な専門用語は使用せず、「大vs小」「冷vs暖」「繁vs簡」「趣vs雅」「古vs新」といった直感的な対比で見せる構成として紹介されています。その中でキリングッドエールは、「古vs新」の文脈で取り上げられ、「現代的な美意識を軸にした、創造性と感情をあわせ持つ新しい視覚表現」として紹介されていました。

参考:https://zhuanlan.zhihu.com/p/2028476671456494081

 
 

キリングッドエールは、約1秒に6本のペースで売れている

 
キリングッドエールは、2025年10月の発売開始から3ヵ月で累計出荷数5,000万本を突破し、購入者数は657万人に達しました。単純計算では、約1秒に6本のペースで売れていたことになります。加えて、過去15年のキリン高価格帯ビールの中で最も高いリピート率を記録したとも発表されています。

ここで大切なことは、数字の大きさそのものよりも、パッケージが実際の市場の中で認識され、選ばれ、継続して購入されるプロセスの一部として機能していることだと思います。特に全国流通するような食品や飲料のパッケージは、単体として美しく見えるだけでは成立しないと私は考えています。売り場で商品として理解され、ブランドとして認識されることまで含めて、はじめて機能していると言えるのではないでしょうか。

 

FBIF側が見ていたのは、デザインだけではなかった

 
印象的だったのは、FBIF側が今回の展示対象としてキリングッドエールを取り上げるにあたり、その理由を見た目の印象だけでなく、ブランドの背景や市場での受け入れられ方まで含めて説明していたことでした。
 
・キリンのヘリテージ(伝統)を、現代的で自信のあるかたちに再解釈していること
・大胆な色使いや象徴的なキリンの表現によって、強い存在感を持っていること
・そうした設計が、市場でも受け入れられ、商業的にも機能していること
 
ここで触れられていたのは、パッケージの新しさそのものというよりも、ブランドの背景をどう扱い、それを現在の市場にどう接続しているか、という点だったように思います。言い換えれば、何を残し、何を更新し、それが市場の中でどう機能しているかまで含めて伝わっていた、ということです。これらの設計は、言語が変わっても読み取られる余地があるのかもしれません。

海外では、国内で前提として共有されているブランドの背景や商品理解が、そのまま共有されているとは限りません。今回の出展は、国内では自然に伝わっているものが、海外ではどのように受け止められるのかをあらためて考える機会にもなりました。

最近では、P.K.G.Tokyoの仕事について海外からお問い合わせをいただく機会も少しずつ増えています。今回の出展も、そうした流れの中にある出来事のひとつだったように思います。

 

出展にあたり、Simba Events/FBIFチームの皆さま、そしてLeahさんに、準備段階からとても丁寧に伴走いただきました。細やかなサポートと温かいご配慮に、心より感謝しています。

Thank you to Leah and the Simba Events / FBIF team, for your thoughtful support throughout this exhibition.

 

 

 

P.K.G.Tokyo プロデューサー 深津 貴史

COLUMN

一枚の紙を折って作る古くて新しいテーマ

2025.10.10

最近、環境に配慮し紙パッケージに変更された商品をよく見かけるようになりました。 紙パッケージに変更することでプラスチック量とCO2排出量の削減ができます。 パッケージデザインに携わるデザイナーとして、 紙の新しい表現を考えていく良い機会なのではないでしょうか。 なかでも今回は紙を「折る」ことについて考えてみました。


 

「明日のものづくり」を探求する理念のもと、 リアリティ・ラボ(Reality Lab.)チームを中核に 2010年より再生ポリエステル繊維と立体折り紙の構造原理の研究を続けているブランド 「132 5.ISSEY MIYAKE」の「折りから生まれる かたちと思考」展のレポートと 立体折り紙の実践を通して紙の表現を探ってみました。

会場ではブランドの造形の根幹にある「折り構造」に焦点を当て洋服が出来るまでを多角的に展示しています。 また、折りたたまれた布の一端を持ち上げると回転しながら立ち上がり、 衣服としてかたちとなる時の“折りの動き”を視覚化して見ることができます。

会場の奥に小さなかわいいトルソーがあり洋服を着せる体験ができました。 平面の正方形の端を持ち上げると回転しながら立体になり肩掛けのワンピースになります。 またそれを元通りの正方形におりたたむことができます。 不思議で何度も布を持ち上げたりたたんだりを繰り返してしまいます。

この構造は、立体折り紙の第一人者である筑波大学教授 三谷純さんの球体の立体作品を参考に 三谷さんの協力もと、平面に折りたためる折り構造を模索し作られています。 沢山の立体構造が並ぶなか三谷さんの球体立体模型も見ることができました。(写真左)
折りによって作り出されるかたちの美しさに魅了されてしまいます。

三谷さんの著書「ふしぎな 球体・立体折り紙」「立体ふしぎ折り紙」から 私もいくつか立体折り紙を作ってみました。 折り線をしっかりと入れ、山折りと谷折りを繰り返すことで一枚の紙から綺麗な立体折り紙が出来ます! 本の中で『立体物を紙のまん中に置き包んで、はみ出た部分を外に折り出すように折る。この外に出た部分が羽のようにも見え、複数の羽が美しい造形の一部となる。』と書かれているように、 紙で立体を作るからこそ出てしまう“はみ出した余分な部分”が折り重なり その折りが立体物を包みこむことで装飾された美しいかたちとなる。 それは紙の特徴を活かした新しく美しいかたちだと気づかされます。

かたちの特徴に合わせて紙素材を選んでみるのも楽しいです。
(左図)No.10「波紋」:タイトルは波紋ですが私には雪山のように見えたため白くオーロラがかった紙を。
(右図)No.13「8角歯車」:鉄らしい重厚感と光を感じさせるように濃い色でラメ入りの紙を。

 

最後に展示会場と三谷さんの著書に書かれていた言葉が心に残りましたので、メモしておきます。

「折りと向き合うとき、手が思考の道をひらく。」

「折り構造には、たたむための制約と、展開の可能性が同時に息づいている。」

「すべての折りには、かたちの根拠がある。 その構造が整理されてこそ、潔く、明快な衣服が生まれる。」

「紙は、方向を見極めるための思考の道具。 紙と布を往復しながら、まだ見ぬかたちを探っていく。」

「一枚の紙を折ってかたちを作るということは、古くて新しいテーマ。」

 

紙素材が改めて見直されるなか、 古くから親しまれてきている「紙を折る」という手法で今までにない新しいかたちを考えていくことは 新しい表現の1つなのではないでしょうか。

 

 

 

 

132 5. ISSEY MIYAKE「折りから生まれる かたちと思考」
日程:9/1(月)-11/11(火)
会場:ISSEY MIYAKE GINZA / 445

 

<参照図書>
三谷純(著)「ふしぎな 球体・立体折り紙」二見書房 2009年
三谷純(著)「立体ふしぎ折り紙 」二見書房 2010年

 

P.K.G.Tokyo山根 彰子

REPORT

オフィスでワークショップを行いました!

2025.03.05

年始に社内でレゴ®ブロックを用いたワークショップを行いました。

「今年仕事で成し遂げたいこと」をテーマに、各々自由にパーツを組み合わせてそれぞれが成し遂げたい世界を表現しました。

「休み方改革」

目標は週休3日。目的はより集中して効率UPし、仕事のクオリティを高めるため。自ら率先して実験的に取り入れてみたい。

 

「新しい出会いにかかる橋」

未知の領域に橋をかけ、新しい仕事やクライアント、新しいパートナー企業や新しい技術など、昨年からバージョンアップするための新たな出会いを作っていきたい。

 

「攻めと守りの両立」

AIを中心とした未踏分野のインプットをしつつ、これまで着実に積み上げてきたものをさらに良くしていく。

 

VUCA時代に求められる価値観を身につける」

目まぐるしい変化についていけるよう、当たり前を疑いながら大切にするべき価値観を見失わ無いようにしていく。(思いやりは忘れずに。)

 

「ワクワクを探しに行く」

今まで築いてきた仕事の経験を大切にしつつ、新しいチャレンジを楽しみたい。

 

「デザインを言語化する」

デザインに込めた想いや感性が、相手に伝わるようにわかりやすく言語化していく。

 

「枠を超えていく。」

ジャンルに囚われることなくブランドに関わる全ての事に広くチャレンジしていく。

 

「デザイン探検隊」

新しいことを経験し、スキル・知識を身につけたいです!

 

「異世界の扉」

今までの自分になかった世界観やジャンル、苦手として通ってこなかった表現や考えといった新しい世界への扉を今年は自由に行き来出来るようになりたい。

 

「デザイン価値を表にする」

よりデザイン価値を感じられるようにわかりやすく方法を探しに行く。

 

「新しいつながりを求めて」

自分の足で様々なコミュニティに出向き、刺激をインプット。その先で新たな人・仕事との縁を繋ぐ。

 

「1年の学びを形にする」

自分らしい案件の進め方を見つけるため、1年かけて得た部分的な知識を実践しルートを作り上げる。

 

私たちは「対話が導くデザインで、心が躍動するブランドをつくる。」というパーパスを掲げ、クリエイティビティと共に価値の言語化を重視しています。

今回のワークショップを通して可視化した目標を基に、これからも人々の心を躍動させるブランドをつくっていきます。

また、P.K.G.TokyoではこのようなLEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したワークショップを提供しています。概念を言葉以外の形で可視化できるのがこのワークショップの魅力です。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

REPORT

世界の暮らしの中のパッケージデザインを見つめる/ベトナム

2024.06.04

日々の中で、何気なく手に取るもの。
時折、眺めたくなるもの。
相手の喜ぶ顔を想像して、贈りたくなるもの。

パッケージデザインは
私たちの暮らしのなかの至るところで目に触れることができ、
世界各国、無数の表現に溢れています。

今回は「ベトナム」ハノイのロッテマートです。
こちらから何点か商品をピックアップし、パッケージデザインを深掘りしてみます。

Kokola majorico /チョコレート菓子/ 250g/59000vnd(約360円)
インドネシアのメーカーの商品。
特徴的なドリンクのような容器は手にとるとずっしりとしており、ボリュームあるサイズ感です。商品ラインナップはチョコレート、チョコバナナ、抹茶フレーバーなどがあり、どれも非常に鮮やかなカラーのパッケージで店頭でも目を惹きます。

G7/インスタントコーヒー/15袋入/60000vnd(約390円)
ベトナムはコーヒーの生産世界第二位。
独特な赤と黒の配色は、ベトナムの人にとって「健康」や「先進的」を感じさせるカラーだそうです。ヘリコプターから降りてくるビジネスマンの男女の写真の入ったパッケージをお土産にもらったことがある方もいるのではないでしょうか。

MR.VIET/チョコレート/60g/95000vnd(約580円)
ベトナムの農家のおじさんの姿を想起させるユニークなパッケージ。
ベトナムの地元農家を世界と結びつけることを目標に製品を展開しており、
産地にもこだわっているブランドです。チョコレートだけではなく、ドライフルーツや珈琲、お茶などもラインナップは様々です。こちらでも「赤」と「黒」のカラーが使用されています。

Hủ Tiếu Nam Vang /インスタント麺/60g/5900vnd(約36円)
カラフルでインパクトのあるインスタント麺のパッケージの中でもひときわ目を引く、白で落ち着いた色合いのパッケージはロッテマートのプライベートブランド「choice L」のインスタント麺です。全体を手書きでまとめており、どこか優しい印象を感じさせます。日本ではあまり食品に使われない配色や表現もユニークです。

どの商品も、アイコンひとつにとっても表現の違いがとても興味深いです。海外のパッケージデザインを通して、日本のパッケージデザインへの見え方もまた変わってくるのではないでしょうか。引き続き、様々な国のパッケージを調査していきます。

参考資料 : アジア諸国でのカラー・イメージの共通性と差異/日本カラーデザイン研究所

P .K .G .Tokyo  大西あゆみ

REPORT

Meiji Dear Milk 「シンプル」へ価値を見出すアイスクリーム。

大手乳業メーカーである明治が独自技術を用いて開発した、原材料が乳原料のみというアイスクリーム。P.K.G.Tokyoがコンセプトからネーミング策定に伴走し、パッケージデザインの開発を行いました。

「原材料、乳製品のみ」とコミュニケーションしているこのアイスクリームは、発売以来アイスファンの間で話題に。私も開発に関わっていた頃から発売を楽しみにしていました。今回はDear Milkの一ファンとして、気に入っている食べ方をご紹介します。

 

 

1.ナッツをかける

カリカリとしたナッツの食感と、なめらかな口溶けのDear Milkのコントラストが美味しいアレンジ。ナッツに塩がまぶしてあるタイプだと塩ミルクアイスクリームになります。食べ応えがあるのでお腹を満たしたい時にぴったり。食べ応えという点ではグラノーラをかけるのもおすすめです。Dear Milkの上品な味わいを活かすために、甘さ控えめタイプのものを選ぶと良いと思います。

 

2.はちみつをかける

喉が痛い時や発熱している時、食欲はないけれどアイスクリームなら食べられるという人も多いのではないかと思います。私は風邪をひくと必ずといって良いほどアイスクリームで熱った喉を潤しています。初めてDear Milkを試食した時、これは風邪のお供に最適だ!と思いました。余計なものが入っていない事が体に嬉しいし、後味がさっぱりとしていて食べやすいからです。そのままでももちろん良いですが、さらに喉のために殺菌効果、抗炎症効果の高いはちみつをかけて食べるのがおすすめ。はちみつをじんわり喉に当てながらDear Milkの冷たさを味わうと、病気で辛い中にもひとときの幸せを感じられます。

 

3.コーヒーにかける

冷たいアイスと熱いコーヒー。この組み合わせが好きな人も多いのではないかと思います。別々に味わうのも良いですが、Dear Milkが溶けてきたらコーヒーにかけて飲むのも美味しいです。クセがないやさしい甘さなのでどんなコーヒーとも馴染むのではないかと思います。完全に溶けてしまった後にもできるアレンジです。

 

以上、いかがだったでしょうか。やさしい甘さとコクがありつつも後味がすっきりしていて、クセのない味わいのDear Milk。どんなものにも合う、まさにシンプルイズベストを体現しているアイスクリームです。フルーツと合わせてももちろん美味しいですし、スパイスをかけても意外な美味しさを味わえることを最近知りました。

 

アイスクリームには珍しく卵を使用していないこともポイントです。卵や乳化剤を使用していないのにこの味わいを作り出しているのは大変な企業努力があるわけですが、商品コンセプト及びパッケージデザインにおいては訴求内容を増やさず、常に「シンプル」を意識しました。さまざまな人が自分のお気に入りの食べ方を見つけられる懐の深さがあり、派手さはないけれどすっと日常に寄り添ってくれる、今まであるようでなかったアイスクリームです。2023年8月現在は関東エリアと、ふるさと納税で入手することができます。

 

P.K.G.Tokyo 中澤亜衣

 

Meiji Dear Milk

内容量 : 130ml
配達日・地域:2023年3月・関東エリア/ふるさと納税(北海道十勝芽室町)

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