P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

NEWS

伊勢抹茶 / 伊勢茶 サンプリングパッケージ

昨年アゼルバイジャンにて製造販売開始された伊勢茶。
順調な滑り出しだったにも関わらずその後新型コロナウイルスが猛威を振るい、
海外向けのお茶需要が激減してしまいました。

そこで国内においても伊勢茶の魅力を伝えるべくHISの関連ホテルや店舗でサンプリングをすることとなり、P.K.G.Tokyoは昨年に引き続きパッケージデザインを担当しました。

ブランドロゴ、基本的なトーン&マナーは海外販売のデザインと統一しつつ、
外袋はオリジナルの紙袋を作成しホテル土産らしさのエッセンスを加えました。
外袋を開けると中に4種のお茶が入っている、限定30,000セットのアソートです。

見かけたらぜひ飲み比べを楽しんでみてくださいね。

P.K.G.Tokyo ディレクター:中澤亜衣

INTERVIEW

売上が10倍に!デザインがもたらした効果。「じっくり、乾燥鍋。いしかり」

2020.04.17

 

『パッケージデザインコンテスト北海道2018』グランプリ受賞をきっかけに商品化された「じっくり、乾燥鍋。いしかり」。
商品のデザインが変わったことでどのような変化が社内外に起きたのか、生の声を株式会社ショクラクの佐々木真実子氏に伺いました。(インタビュアー P.K.G.Tokyo中澤)

 

-コンペティションがきっかけで弊社天野のデザインを商品に採用いただきました。売上と利益の変化はありましたか?

売上は10倍になりました。新聞にも記事が取り上げられるほど話題になっています。もともと売価は550円~650円だったのですが、200円UPし750円~850円にしました。

-お客さんの数は増えましたか?

お客さんの数も増えました。大手コンビニにテスト的に導入が決まり、北海道150店舗のうちの半分くらいに置いていただいています。ですが空港の店舗やアンテナショップではない、いわゆる観光客の来ない店舗では全然売れませんでした。期限切れになって戻ってきてしまうこともありました。

-やっぱりお土産としてこの商品の需要はあるのですかね。

そうですね、ターゲットをちゃんと決めようとそこで思いました。北海道の観光に来ている方、インバウンドの方に向けて空港の店舗やアンテナショップなどに置いてもらう。そのような場所以外はお断りするという方向性が見えました。

-東京のアンテナショップにも置かれているのですか?

2019年9月からテスト販売として、有楽町のどさんこプラザに置いていただいています。ここは売れなければ差し替えられてしまうのですが、今のところ継続しています。

-デザインを変えて売上が上がったという実感があるのですね。良かったです。ちなみにデザインコンペティションはどのようなきっかけで参加されたのですか?

私たちの今まで考えてきたデザインとプロのデザインでどれくらい売上が違ってくるのか試してみたかったんです。この商品開発は藤女子大学とコラボレーションしていて、以前のパッケージは学生さんが作ってくれたものでした。

-会社全体では外部に委託してパッケージ作成していらっしゃいますか?

はい、しています。袋の資材会社がデザイナーを抱えており、その方にデザインを出してもらっています。私達が直接デザイナーとやりとりすることはなくて、その資材メーカーの方に持って来ていただいています。お米だったら米袋の資材メーカー、豆だったら豆の資材メーカーといった形です。みんな北海道の会社です。デザイン費は袋の価格に入っていて無料です。今までは妥協というか、これでいいかっていうところでやっていました。ダンボールのデザインとか袋のデザインとか。

-パッケージが変わって従業員のデザインの考え方、モチベーションは変わりましたか?

めちゃくちゃ変わりました。これまで私たちが良いと思ってきたデザインは、どこかにありそうな、ありふれたものだったと気がつきました。コンセプトとデザインを変えたことで売上が10倍になり、北海道商工会議所の北のブランドルーキーという賞にも選ばれ、展示会出展にも導いてくれました。それを社長が見てきて、これは本物のデザイナーに頼むべきだとわかってくれて。長かったなこの65年って(笑)。デザインにお金を払うのがもったいないという感覚だったんですよ。モノさえよければ売れると。

-良くてもそれが伝わらなくてはいけませんものね。

社長は任せてくれるようになりましたね。この商品はそもそも地産地消で北海道産の農作物を使った商品を作りたいという思いから始まったんです。私達は農家さんたちとつながりが深いので、農家さんたちにお返しできるようなことができたらなと。野菜に付加価値がつく商品を作りたいと考えました。最初はセットではなく、この中に入っている野菜単品でそれぞれ売ったのですが、まあ売れませんでした。しかしこのパッケージになったことで「かわいい」とまず目を引き、「何これ?しかもこんなに簡単なの?一回買ってみよう」という風に変わりました。今まではまず目にも留まりませんでしたから。統計をとってみたらお土産として売れているんだなということもわかりました。
いしかり鍋をシリーズ化していきたいなと思っています。他のデザインも変えていきたいですね。会社一同で感謝という感じです。

-ありがとうございました!コンペティション受賞から始まった本デザインはP.K.G.Tokyo独自のサービスInitial Zero/イニシャルゼロの案件となりました。このデザインフィーシステムはパッケージデザイン費を開発時の一括買い上げではなく、売上に応じてロイヤリティとして中長期的に精算する仕組みです。デザインした商品が売れれば報酬を分かち合い、売れなければリスクを事業者と共に私たちも背負うというものです。商品の顔であるパッケージデザインには、販売した後にこそ責任があるのではないか、デザイン開発が終わってしまえば終わってしまうクライアントとの関係性も寂しいという思いからこのような仕組みを考えました。持っている技術や開発している商品には自信があるけれど一度にまとまった額を用意することが困難という事業者との出会いにも期待しています。もしご興味をお持ちいただきましたらぜひP.K.G.Tokyoのウェブサイトのコンタクトフォームよりご連絡ください。

 

NEWS

『パッケージデザインコンテスト北海道2018』受賞

2019.06.20

『パッケージデザインコンテスト北海道2018』にて、P.K.G.Tokyo 天野和俊「じっくり、乾燥鍋。いしかり」がグランプリを、横田栞「真鱈のぽんたら」が奨励賞を受賞いたしました。このコンテストは、北海道内の中小企業から実際に販売されている10商材をお題とし、全国からデザインを募集。受賞作品の商品化に向けたフォローアップを行います。

今回グランプリに選定された乾燥石狩鍋セットも商品化が決定しており、ゴールデンウィークに発売となりました。

天野和俊「じっくり、乾燥鍋。いしかり」 横田栞「真鱈のぽんたら」展示会・表彰式
2月23日~28日に札幌文化芸術交流センターで開催された展示会では、全国からの応募作品を多数展示していました。https://www.hkd.meti.go.jp/hokip/package2018/package.html

COLUMN

デザインの後日談: SORACHI 1984

2019.05.07

2019年4月、サッポロビール Innovative Brewerから「SORACHI 1984」が発売になりました。なんとも画期的で、爽やかに香るビールです。この現代的なビールのパッケージデザインをP.K.G.Tokyoが手がけました。パッケージデザインとして目指したものは「シンボリックなビール」。堂々としていて現代的、そしてそのパッケージを見れば味わいが記号的に蘇る。そんなアイコニックなパッケージを目指しました。

Innovative Brewerは、その名の通り驚きと挑戦でイノベーションを起こすべく生まれたブランドです。Innovative Brewerの新商品となる「SORACHI 1984」。このビールに使用されているホップ「ソラチエース」は北海道生まれの個性的なフレーバーホップで、その個性ゆえに国内では埋もれていた品種です。しかしその後、その個性はアメリカで脚光を浴びることとなります。そして2019年、令和を目前にソラチエースは35年の長い旅を経て、ようやく国内流通のビールとして凱旋。国内ではなかなか需要の伸びなかったソラチエースの復活劇は、エピソードとしてとてもドラマチックなものでした。

※詳しくはこちら
http://www.sapporobeer.jp/innovativebrewer/SORACHI1984/STORY/

このストーリーはSORACHI 1984のバックボーンとなり、とても重要な役割を担っています。ITの進歩がめまぐるしい昨今、エンドユーザーはインターネットを介し、あらゆる情報に触れ、自身の興味のある事柄は積極的に掘り下げて知ることが可能です。そうした社会の背景を受けて、商品開発の現場でもエンドユーザーの「知りたい」を前提とした開発は今や主流。このビールも例外ではなく、言うなれば「ストーリーとともに味わうビール」なのです。そしてストーリーはデザインを育て、愛着や信頼とともにブランドに成長して行くのです。

さて、デザインに話を戻しましょう。どの仕事でもそうですが、デザイン決定に至るまでには紆余曲折があります。今回も「シンボリックなビール」を目指すべく様々なベクトルの考え方が必要でした。結果、たどり着いたホップのアイコン化。非常にシンプルな表現です。しかしホップのアイコン化と一言に言っても、その表現の仕方は千差万別。さらには配置するアイコンの大きさやカラーバリエーションなど、細部に渡り幾重の検証が繰り返しなされました。どういった表現が届けたい相手に響くのか。多くの人に手に取ってもらうため、マスプロダクトとしてどの程度キャッチーにチューニングするべきなのか。担当者の方含め、関係者全員の選ぶ目は真剣そのもの。ポジティブかつ慎重に可能性を紡いでいった結果、とてもシンプルで華やかな表現にたどり着くことができました。そのシンプルな見た目からは想像がつかないかもしれませんが、SORACHI 1984はゴツゴツした原石を美しく整えるように、多くのディスカッションとチャレンジによって削り磨かれたデザインなのです。

「SORACHI 1984」はスタートを切りました。そのパッケージデザインの真価が問われるのは、実はこれからです。そもそもポテンシャルの高い味わいのあるビール。味が評価されるの当然です。「SORACHI 1984」が愛されるビールであるために、愛される顔に成長していけるかどうか。パッケージデザインの担う責任は小さくないと感じています。

P.K.G.Tokyo ディレクター:柚山哲平

NEWS

「濃厚 ポモドーロ、濃厚 アラビアータ」が発売されました

2019.04.26

P.K.G.Tokyoがパッケージデザインに携わらせていただいた日清製粉グループの「濃厚 ポモドーロ、濃厚 アラビアータ」が2月22日発売されました。

濃厚 ポモドーロ、濃厚 アラビアータは名前の通りとても濃厚でリッチな味わい。
イタリア産完熟トマトの旨味を楽しみながら、美容効果のあるリコピンやアスタキサンチンも美味しく摂れて特に女性には嬉しいパスタソースです。

トマト好きにはたまらない逸品です!
皆さんもぜひお試しください。

● 濃厚 ポモドーロ 140g
● 濃厚 アラビアータ 140g

https://nisshin-foods.jp/mama/lp/tomato.html

P.K.G.Tokyo : 横田栞

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