P.K.G. MAGAZINE | パッケージを考える

COLUMN

パッケージデザイナーとしてこれからのAI時代との向き合い方

最近AIの発展は目覚ましく、近い将来私たちの日常生活に大きな変化が訪れようとしています。

中でも生成系AI(ジェネレーティブAI)と呼ばれるさまざまなコンテンツなどを生成する事が出来るAIには、私たちクリエイターはこれからの動向に関心を持たざるを得ない事柄です。

クリエイティブ業界で広く浸透しているAode社も生成AI開発に注力し、昨年「Adobe Firefly」がリリースされ注目を集めているように、私たちのすぐ近くまでAIの技術進化が迫ってきています。

これから本格化するであろうAI時代の中で私たちクリエイターはどう向き合っていくべきなのでしょうか。

伊藤園が『画像生成AI』を活用したパッケージデザインを発売

昨年秋頃、伊藤園から『画像生成AI』を活用したデザインで「お~いお茶 カテキン緑茶」をリニューアル発売したとのニュースがありました。これは業界初の試みとのことです。

デザイン開発とマーケティング・リサーチを行う株式会社プラグが、パッケージデザイン用に開発した『商品デザイン用の画像生成AI』を活用し、AIで生成された画像を参考に、イラストやデザインをデザイナーが手直し、パッケージデザインを完成させたとのことです。

現時点ではまだデザイナーなどの人の手を加える必要がありますが、短時間で大量の多様なアイデアの創出が可能になるので、パッケージデザイン開発におけるプロセスが大幅に短縮されたと言われています。


引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000062916.html

1.AIでデザインを生成
2.生成したデザインを見ながら、方向性のディスカッション
3.デザイナーによるデザイン作成
4.パッケージデザインAIで評価し、デザインを絞りこむ
5.デザイナーによるデザインのブラッシュアップ
※1~5の作業を複数回繰り返し、最終的な商品デザインを選定

株式会社プラグの『商品デザイン用の画像生成AI』に限らず、AIは過去の膨大なデータから瞬時にアウトプットするので本来膨大な時間がかかるプロセスを大幅に改善してくれるので私たちの仕事にも大きな影響がある事が予想されます。

これからのAI時代との向き合い方

これからの将来AIの技術は進歩し、正直どのような社会になっていくか予想もつきません。

グラフィックデザイン業界も歴史を遡れば、版下を1つ1つデザイナーが手作りしていたり、1文字を入れる為に写植を使用したりというアナログな時代を経て、PCでデザインから入稿まで出来る時代がやってきたりと激しく便利に移り変わって来ました。
伊藤園の例のように、パッケージデザインの開発までにAIが関わってきているのが現実ですが、「仕事を奪われてしまう」という不安からAIを恐れたり、拒絶したりするのではなく、上手に付き合っていくのが重要だと私は考えます。

1.AIの発展・技術力を素直に認める
2.AIに得意な分野はAIに任せつつ効率化した時間をクリエイティブ作業に充てる
3.クリエイティブに重要な分野はAIに任さない

AIの技術力はどのような分野でも必要不可欠な時代が来る事が想定される中で、「どこをAIに任せて、どこを任さないか」を明確化する事は私たちがAIと上手く付き合っていく為に重要な視点だと考えます。

AIが過去のデータから多くの配色やレイアウトなどのデザインパターンなどを短時間でアウトプットするのが得意なら、私たちはそこに掛けていた労力や時間をより重要なクリエイティブフィールドに割くことが出来ます。

そうすることで今よりもっと発展的ディスカッションが行なったり、じっくり時間を掛けて重要な検証や判断をするなど、クリエイティブの質をより上げる事ができるのではないかと考えます。

そしてこれから、私たちにはより高いクリエイティブスキルが求められるようになるでしょう。

・AIが生成した多くのアウトプットから最善を選ぶ経験と判断力
・頭の中にあるイメージを正確に言語化して指示できるディレクション力
・社会の変化を見極め時代にあった付加価値をアウトプットできる表現力

短時間で大量のデザインが生成される時代では、他とは違う付加価値を与え、どう差別化を計るのかを考え模索するという、ビジュアル表現だけではない、見えない領域までを含めて「デザイン」と捉える時代になりつつあるのだと思います。

これからAIがデザインを担う時代になったとしても私たちの「求められるデザインはどんなものか」を考え続ける事は何ら変わりません。

最終的に商品やサービスを利用するのは「人」であることは変わらないので
「人」に求められるデザインは「人」の力なくしては成り立たないのではないでしょうか。

引用記事:業界初!『商品デザイン用画像生成AI』を活用したデザインで伊藤園「お~いお茶 カテキン緑茶」リニューアル発売

P.K.G.Tokyo 長田庄太郎

INTERVIEW

KURAND×P.K.G.Tokyo デザインとブランドのいい関係とは

P.K.G.Tokyoのメインワークである、パッケージデザイン。
今回は、氷点下で約20年眠り続けた熟成日本酒「FRESH VINTAGE the epic」のデザインとブランドの関係性の観点から、商品開発のストーリーをお送りいたします。KURAND株式会社の商品チームマネージャーの青砥 秀樹さんと、弊社ディレクターの柚山の対談形式です。
取材・文:大島 有貴
インタビュー撮影:唐 瑞鸿(plana inc.)
商品撮影:近藤 伍壱(ROBIN HOOD)

 

FRESH VINTAGE the epicとは

「FRESH VINTAGE」は、しぼりたてそのままの日本酒を-5℃の氷点下の中で長期間熟成することによって誕生した、“ビンテージなのにフレッシュ”といった、相反する新しい味わいが特徴の日本酒シリーズ。「FRESH VINTAGE the epic」は同シリーズのはじまり1本。20年間氷温熟成され、200本限定生産の貴重な日本酒である。販売価格は11万円(税込)。

<プロフィール>
KURAND株式会社 商品チームマネージャー  青砥 秀樹さん(写真右)
島根県・青砥酒造で6年間酒造りに従事し、ゼロから新銘柄「蒼斗七星(あおとしちせい)」を造り出し、日本酒業界で多くのファンを生み出す。青砥酒造を退社後にKURAND株式会社に参加し、商品チームマネージャーとして全てのプロダクト開発を担当。お酒をアップデートする、次代のプロダクト開発を手掛ける。
P.K.G.Tokyo ディレクター 柚山哲平(写真左)
2009年、柚山デザイン株式会社を設立。さらに2017年、P.K.G.Tokyoを創業メンバーとともに設立。ブランディングを中心に、ブランドコンサルティングや商品プランニング、アートディレクションからデザインまでシームレスかつ幅広く取り組んでいる。P.K.G.Tokyoでは、これまで様々なメーカーの主要商品ブランディングやパッケージデザインを手がけてきた。

 

FRESH VINTAGEシリーズ立ち上げに関わってきた経緯 

柚山:本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。KURANDさんと弊社の出会いは、日本酒「金銀 -KEEN GUIN-」パッケージデザインのご相談がきっかけでしたね。私が担当として、御社と初めて関わったタイミングは、FRESH VINTAGEシリーズ立ち上げでした。

青砥:そうでしたね。その際に、ストラテジー策定から関わっていただいて。私どもと、酒蔵である中野BCの担当者、そしてP.K.G.Tokyoさん同席でワークショップを行っていただきました。ペルソナ設定から「FRESH VINTAGE」というネーミングに至るまで。ストラテジー策定から関わっていただけるデザイン会社さんは、他にあまりないので、とても説得力のあるデザインに仕上がったと思っています。

FRESH VINTAGEシリーズ。
デザインに関するストーリーはこちらから 

 

肌感覚で得てきた、デザインとブランドの関係性の大切さ。

柚山:KURANDさんも、全国の酒造会社と提携し、商品企画、製造、物流、販売までを一気通貫するプラットフォームをつくられていて、他に例がない会社さんだと思っています。近年ですとオンラインでの「酒ガチャ」も話題になりましたよね。

青砥:今まで商品開発から関わり、生み出してきたお酒の数は500種類ほどあります。1本1本のお酒に合わせて、提携酒蔵との密なコミュニュケーションをとり、ひとつひとつのブランドを丁寧につくりあげているのです。
加えて、オンライン酒屋「クランド」や、オウンドメディアを運営しております。デジタルの活用はKURANDには欠かせないものです。「一体、何屋さんなのか?」と聞かれることが多いのですが、私たちはまず、酒屋であることがアイデンティティー。社長荻原の創業の目的はシンプルに「お客さまにお酒の魅力を知って、飲んで、喜んでもらいたい」ということ。特に、酒蔵さんがリーチしづらい若いお客さまへ伝える手段として、デジタルを使っていこうと。「お客さまに喜んでもらうため」に、様々なトライアンドエラーを積み重ねて10年やってきました。
実は、今のようなビジネスモデルになるまでには、通常の酒屋と同じように、代表的な銘柄(ナショナルブランド)を販売していた時期もありました。ですが、その方法ですと、他との差別化が難しい。そこで、さまざまな試行錯誤の後に、現在のようなビジネスモデルが出来上がったのです。今までの経験の中で、お客さまにお酒の魅力を感じてもらうには、中身の質の良さはもちろんのこと、ネーミングからデザイン、ストーリーを伝えることが大切だと肌で感じてきました。ですので、私たちは提携の酒蔵とブランド企画を共にし、ブランドの具現化としてのデザインをとても大切にしているのです。

柚山:なんだか、今の話を聞いて合点することありますね。KURANDさんとの仕事はデザインに至る過程を大切にする我々にとって、とてもやりやすかった。というのも、一緒にものづくりをする、酒蔵との議論の場に、私たちデザイナーを同席させていただいたんです。ところで、青砥さんはお酒の「造り」についても大変お詳しいですが、そこまでの知識はどこで学ばれたのでしょうか。

 

造り手と伝え手のコミュニケーションの密度

 青砥:実は以前、酒蔵の現場にいました。弊社には同じように「酒造り」に携わっていたメンバーが私含め3人おりまして、そこは強みだと感じています。というのも、製造自体は提携酒蔵に委託はしているがゆえ、酒蔵の方と対等なコミュニケーションが取れることが、1本1本に合わせたブランドづくりを強固にできると思うのです。

柚山:すごく分かりますね。デザインの世界でも、デザイナーは最終的なアウトプットのことを深く知っておく必要があります。グラフィックデザインであれば紙や印刷の知識は不可欠だし、プロダクトデザインなら使用される素材の特性や製造工程を知っている必要がある。同じように、伝え手としての側面を持つKURANDさんが、最終アウトプットを担う酒蔵と密なコミュニケーションを取れることで、いいものがつくれるのですね。

 

20年間、大切に寝かされ、眠っていた熟成酒。

青砥:「FRESH VINTAGE the epic」の製造を委託しております酒蔵は、和歌山県の中野B Cさんです。弊社とは長年の信頼関係があります。酒蔵のある紀州は温暖な気候。その気候が影響し、夏を越すとお酒が過熟状態となり、色付きや味わいに重みが出ることに長年悩まれていた。そこで酒蔵としては本当に先駆者と言ってもいいほど昔から、氷温でお酒を寝かせて熟成することにトライされてきたのです。その氷温室で20年間眠っていた酒が今回の「FRESH VINTAGE the epic」。初めて飲んだ時、「これはすごい」と純粋に感じました。このお酒を「ぜひ、お客さまに飲んでいただきたい」と。
正直、熟成酒といっても、保存状態がずさんであったりするとその価値を感じられない味であることが、よくあるのです。ですが、このお酒は大切に寝かされ、「眠っていた」という言葉がまさしくで。私たちが官能的に感じる価値と、価格といった数値的な価値がイコールであるならば、これは何としてでもやりたいと。デザインを含め、どのようにお客さまに伝えていくのかは私たちの腕の見せどころ。「ぜひ、僕たちにやらせてください」と酒蔵にお伝えしました。私たちもここまでの高価格帯のお酒を売った経験はなかったので、その時はノープランだったのですが…。そうしたら、「KURANDがそう言うんだったらいいよ」と酒蔵が快諾してくださったんです。

 

今までにないお酒だからこそ、その価値を体現したデザインを

 柚山:実は、一旦提案した別のデザイン案がありました。そこから、少し時間をおいて見返したとき、このデザインは果たして青砥さんたちが見つけたお酒のポテンシャル、価値を本当に表現できているんだろうかと。そこで、自主的に再提案させてくれないかという話をしたのです。今までにないお酒なのだから、ラベルの表現も今までにないことをやらないと、その価値には届かない。革を使った理由としては、今までにない、20年の熟成酒であることを表現するためです。時間を経ることで深まる価値を表現するにあたり、風合いの変化が楽しめる革という素材が、今回のテーマにふさわしいと考えました。ですが、やはり前例がないので、クリアしなければいけないハードルが盛りだくさんでしたね。革と酒、両方の品質保持。冷蔵輸送の際に懸念される結露など。そういった商品として乗り越えるべきハードルをクリアするため、実験を繰り返し行ってもらい、ようやく形にすることへとたどり着いたデザインなんです。


ラベルにはヌメ革を使用している。最初はやさしいベージュをしているが経年変化とともに美しい飴色になっていく。商品名など文字情報はすべて型押しで構成されており、印刷を使用しない特殊なラベルである。

青砥:具体的には、酒蔵で実際に20日間〜1ヶ月冷凍保存して、革に変化がないか、匂いなどに問題がないかという検査をしました。加えて、輸送テストも行いました。ここは、ちょっと厳しい私が出てきてしまってですね、厳格にチェックをさせていただきました(笑)。やはり高価格帯の商品なので、お客さまの手元に届いたときに、商品の価値を最大化したい。どうしても、配送時のトラブルがあったり、酒蔵の管理上の限界があったりするので、そこがきっちりと大丈夫かを確かめておきたかった。そのために、今までの商品開発の中で一番時間がかかり、1年半を要しましたね。

 

商品企画のはじまりに、デザイナーが同席することの重要性 

柚山:例えば他のクライアントに「革のデザインでいきましょう」と提案したとすると、前述のような苦労がつきものなので、普通は採用されません。ですが、KURANDの方々は「やってみましょう」と前向きに、一度飲み込んでくださるのです。みなさん、商品のストーリーをデザインに落とし込む重要性をよく理解されているのだと感じました。実は一般的なデザインの仕事は、決まった条件のもと依頼されることも多いのです。ネーミングや表現媒体も決まっていて、その範疇でデザインをお願いしますと。デザインが上手くハマれば良いのですが、マーケティング的観点で立てた仮説と、用意された条件が矛盾していることもしばしば。本当にブランドの価値を最大化したいのであれば、商品企画の段階からデザイナーが議論の場に立ち会う必要があるのではと私は考えています。仮に決定権がなかったとしても、初期の議論に参加することができれば、ボタンのかけ違えや矛盾は起こらないと思うのです。ですので、KURANDさんのように、膝突き合わせながら進めていくプロセスは、ブランドの価値を無理なくデザインに昇華させることができると感じています。

青砥:私たちにとっても、企画の最初の段階から一緒に考えていただけるデザイン会社さんは逆に言うと他にないんですよね。実は、今回「FRESH VINTAGE the epic」のネーミングは、柚山さんにご提案いただいたんです。基本的に今までの商品の名前は多くの議論の上、ほぼ社内で決めています。しかし、今回ご提案いただいた「the epic(叙事詩)」という名前。つまり時代を経て語り継がれる物語というネーミングが、熟成を重ねて味わいが増すこのお酒には相応しい名だと思いました。

 

残り1%、0.1%に違いが出る。それが「人」がやる意味ではないのだろうか。

柚山:ありがとうございます。少し唐突に話が逸れてしまうかもしれませんが、個人的な最近の興味として、AIをはじめとするテクノロジーの進化というものがあります。目まぐるしい進化の中で「人が行う表現の意味」を考えるのです。つくることから選ぶことにシフトし、条件さえ揃えば誰でも模倣できてしまう表現という渦の中で、言い換えるなら「違い」とはどうやって生まれていくのかと。

青砥:私たちの仕事にも同じことが言える部分がありますね。99%近くまでは、きっと同じ情報などのインプットをしたら、多くの人は導き出せてしまう。だけど残り1%、0.1%に自分たちが入る余地があると思っていて。それが何なのかと考えた時に、言葉に表現しようがないからこそ「個性」とか「センス」という言葉を使うんですよね。お酒造りも同じような条件、環境で造ったお酒でも「誰が」造ったかによって味の違いが出るのです。 そこが面白い。

柚山:なるほど。少しの差が唯一無二の個性を生む。面白いですね。これからもKURANDさんとは、ディスカッションしながら新しい商品を一緒に生み出していただけたらいいなと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

K U R A N D株式会社の情報はこちら

「FRESH VINTAGE the epic」の情報は こちら

 

COLUMN

「海外っぽさ」を求めて

ゴールデンウィーク、みなさんはどのようにお過ごしでしたか?
大型連休になると旅行に行きたくなるものですが、緊急事態宣言下ではそれも叶いません。
そこで、今回は身近にあるもので「なんとなく海外に行った気になろう」ということで、「海外っぽさ」を感じられるパッケージをご紹介いたします。
手っ取り早く「海外っぽい」を見つけるために向かったのはカルディコーヒーファーム。
スーパーでは見ないような輸入品や可愛らしいパッケージに出会えます。
記事のトップ画像は欲望のままに購入した商品たちです…。

まずはこちら。
韓国のお酒「マッコリ」の缶パッケージ。
原産国は大韓民国とありますが、裏面の表示が日本語なのでこちらは日本でデザインされていると推測します。
缶体がマットなホワイト。マッコリらしさを感じます。シュリンクフィルムを使用しているため、ここまで強いマット表現が可能なのでしょうか。
全体的なグラフィックがシンプルでこれも韓国っぽさがあります。お酒が飲めないけれど思わずパケ買いです。

お次はこちら。
フィリピン カラマンシードリンク。

カラマンシーは四季橘とも呼ばれる柑橘類の一種です。味はシークヮーサーに似ている気がします。酸味と甘味のバランスは甘味が強めです。
こちらのパッケージは文字表現が異国的で素敵ですが、個人的に面白いと感じたのはこちら。

ぺり…

下の部分、シールになっています。


元のデザインを崩さないように下のコピーを日本語に差し替えています。
大きなデザイン変更は缶自体を印刷し直すコストがかかりますが、シールを貼ることでこれを回避しつつ、元のデザインの良さを残しています。
ちなみにオリジナルの缶はカラマンシーの断面が見えています。

お次は ストレートアップルジュース。
こちらはアメリカ産。瓶の形がリンゴのようになっています。
シンプルな表現ながら美味しそうです。行ったことないけどアメリカの農村の懐かしさを感じます。

ココナッツミルクとレッドカレースープ。

両方とも紙パックタイプ。正面のデザインは似ていますが、ココナッツの方だけ裏面表示系が日本ですが、カレーはシールで貼ってあるため現地のデザインでしょうか。
赤唐辛子がガッツリのっていて辛くて美味しそうです。構成的には日本の食品パッケージとそう大きな違いはないかなと思いますが、模様の表現や書体、写真の色味に海外の雰囲気を感じます。

以前、展覧会で海外商品を日本のマーケット向けにリデザインしている会社の方からお話を伺いました。1つの商品でもそれぞれの国の親しみやすい表現に合わせ、受け入れやすくしているそうです。
普段の生活に馴染みのないものを取り入れるのはハードルが高いものですが、その国のポピュラーな表現に寄せることでこの障害を取り除きます。
カルディでも輸入品をそのままのデザインで販売しているもの、異国らしさを残しつつ日本向けにデザインしなおしているものなどが見受けられました。

普段の生活の中では安心を求めて慣れ親しんだものに手を伸ばしがちですが、たまには見慣れない商品を「これは何だろう?」と好奇心から買ってみるのも思いがけない出会いがあり楽しいです。
パッケージから感じる海外体験、おすすめです。

 

 

 

おまけパート

さて…、これらを実食…。
今回はもう一つ、フォーの即席麺も買ってきていました。
※即席麺のフォーには蒸し鶏はついていません。お好きな食材をプラスアルファがおすすめです。
今日のお昼はこのフォーにもう一品加え、「なんとなくエスニックランチ」を。近所のスーパーできゅうりが大変お買い得でした。これからの時期におすすめしたいきゅうりを使ったレシピです。

中華風 きゅうりと海老のオイスターソース炒め
※これは私の母が作ってくれたざっくりしたメニューを元に書き起こしたレシピです。
調味料の量はお好みでご調整くださいませ。

材料
・きゅうり・・・・・・2本
・生姜・・・・・・・・適量
・海老・・・・・・・・160グラム
冷凍のむき海老を流水解凍して使用しましたが、生の場合は背わたをとります。
・ごま油・・・・・・・適量
・砂糖・・・・・・・・小さじ1
・オイスターソース・・小さじ1
・めんつゆ・・・・・・小さじ2
・水溶き片栗粉・・・・適量

作り方
1) ピーラーできゅうりの表面を縦3本くらい剥きます。
2) 長さ5センチほどに切り、さらに短冊状に切ります。
3) きゅうりに塩を振ってしばらく置きます。その後キッチンペーパーなどで水切りをします。
4) 生姜を千切りにします。
5) フライパンに油をしき、中火で海老を炒めます。塩胡椒で下味をつけます。
6) 水切りしたきゅうりを加えてさらに炒めます。
7) 砂糖、めんつゆ、オイスターソースで味付けし、生姜を加えてざっと混ぜます。
8) 水溶き片栗粉を加え全体的にとろみをつけ、最後にごま油を少したらして風味付けして完成。

ベトナムのフォー、オリジナル和製中華、フィリピンのカラマンシージュース…。
最終的にどこの国のものなのかわからないランチプレートになりましたが、これはこれでOKということで…。

P.K.G.Tokyo
佐藤 光

NEWS

伊勢抹茶 / 伊勢茶 サンプリングパッケージ

昨年アゼルバイジャンにて製造販売開始された伊勢茶。
順調な滑り出しだったにも関わらずその後新型コロナウイルスが猛威を振るい、
海外向けのお茶需要が激減してしまいました。

そこで国内においても伊勢茶の魅力を伝えるべくHISの関連ホテルや店舗でサンプリングをすることとなり、P.K.G.Tokyoは昨年に引き続きパッケージデザインを担当しました。

ブランドロゴ、基本的なトーン&マナーは海外販売のデザインと統一しつつ、
外袋はオリジナルの紙袋を作成しホテル土産らしさのエッセンスを加えました。
外袋を開けると中に4種のお茶が入っている、限定30,000セットのアソートです。

見かけたらぜひ飲み比べを楽しんでみてくださいね。

P.K.G.Tokyo ディレクター:中澤亜衣

COLUMN

時代と共に変化していく「サービス」のおもしろさ

2020.12.17

時代と共に様々なサービスやシステムが大きく変わろうとしています。
今回はわたしが日々の生活の中で面白いと感じた、これまでとは違う新しい「サービス」を紹介します。

オンライン寄せ書き「yosetti」
https://www.yosetti.com

こちらはオンラインで寄せ書きを作成するwebサービス。
web上で集めたメッセージデータをpdf化、実際に寄せ書きとして形にして相手に発送できるもので、友人の結婚祝いにあたりこのサービスを知りました。色紙を購入→メッセージを書き次の人へ回す→全体を装飾する、、様々なプロセスを経て行う「寄せ書き」ですが、オンライン上で簡単に作成が可能になりました。背景のデザインや文字の色は自由に選択し、写真の添付も可能。当初はオンラインの寄せ書きというイメージが、どこか希薄なのでは?疑心暗鬼でしたが、実際に使用する、手軽に使えること、書き直しが出来ること、出来上がったものを見られるなど、メリットも多く面白いサービスだと感じます。また物理的な距離があっても簡単に寄せ書きが出来るのは、大きなメリット。なるべく人との接触を避けなければいけない、今の時期にも使いやすいですね。

お花のサブスクリプション 「ハナノヒ」
https://www.hibiyakadan.com/shop/hananohi

最近よく耳にする「サブスクリプション」。月定額制アプリを使い、店頭で好きなお花を選び、スマートフォンでタッチで決済し購入できる仕組みです。これまで「花」を買うことがどこかハードルがある、また中には気恥ずかしいという人も多かったようですが、手軽さが人気で店頭で男女問わず、仕事帰りの方がスマートフォンを片手にさっと買っていく姿が多く見られ、印象的でした。数本から気軽に購入できることや、決められたお花が届くのではなく、自分で無理のない範囲で「選べる」のも人気の理由かもしれません。

これまで直接人対人のコミュニケーションを通さなければ出来なかったような仕組みが変化しています。そしてオンラインやデジタルの要素を取り入れたサービスに触れると、パッケージデザインにも新たな「仕組み、サービス」が出来るのではないかと感じました。オンラインで商品を見ながらの買い物はあたり前になってきましたが、ネット上の仮想空間で実際に商品を手に取るように買い物をし、商品を選ぶ時代もそう近くないのかもしれません。ラベルレスパッケージが登場した今、紙ではない新たな未来のパッケージなど色々な可能性も考えられます。

パッケージデザインの持つ素材の手触りや温もり、それが手に取る人に与える影響。それはとても大きな意味があるように思います。その一方、オンラインやデジタルにおける新たな視点を持つことも必要になっていくのだと感じました。私たちに大きな影響を与えたこの変化とともに、様々なサービスやものの在り方を考えていく転換期が訪れています。

P.K.G.Tokyo 大西 あゆみ

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